「勉強はできるのに仕事はできない」と言われる人が、世の中には一定数存在します。
私自身は早稲田大学を卒業していて、世間一般では高学歴と言われると思いますが、いわゆる「使えない人」でした。
大学時代のアルバイトはまともにできたことがなく、怒鳴られたり馬鹿にされたりしたことが何度もあります。
新卒で就職した会社でも全く仕事ができず、うつ病で退職しています。
高学歴ということは、知能は平均よりかなり高いということでしょう。
知能が高いと、発達障害の特性を知能でカバーできることはあるので有利ではありますが、逆に高学歴だからこその辛さもあると思っています。
高学歴発達障害の人が辛い理由
ここからは、発達障害の人が高学歴だからこそ辛い理由を4点解説します。
周りの人からの期待値が高まってしまう上、嫌味を言われやすい
社会に出ると、知能の高さよりも器用さや要領の良さを求められる機会の方が多いです。
世間一般では「簡単な仕事」だと思われているアルバイトがまさに良い例です。
・言われたことを早く覚える
・テキパキ動く
・ミスなく作業をこなす
・臨機応変な対応ができる
など、アルバイトで求められる能力は、発達障害がある人にとっては特に不得手なものが多いです。
これらの能力はアルバイト以外の仕事でも大切ですが、アルバイトはあくまでも「簡単な仕事」のため、高学歴の人の武器である知性や論理的思考力を発揮できる場面が少ないと思います。
アルバイトでは様々な経歴の人が働いているので、高学歴であることによって変に目立ってしまい、意地悪な人からターゲットになりやすくなります。
「〇〇大卒なのにこんなこともできないの?」と言われてしまうこともあるかもしれません。
また会社に入ってからも、高学歴なほど周り人からの期待値が高くなってしまいます。
徐々に仕事ができないのが露呈して、期待を裏切るような形になってしまうのは辛いものです。
周りの優秀な人と比較して落ち込む
高学歴といわれる大学に行くと、周りの友人は有名大企業に就職したりと、いわゆる社会的に成功している人が多くなります。
発達障害があると、就活がなかなかうまくいかなかったり、有名大企業に入れたとしても仕事ができずに退職したりと、社会のレールから外れてしまう可能性が高いです。
そうなった時に、優秀な周りの友人と自分を比べてしまうことで、ますます落ち込んでしまうことはあるでしょう。
過去の自分との落差に落ち込む
高校までは、「勉強ができる」ことが大きな武器になり、大人たちから高く評価してもらえます。
そのため、勉強ができるというだけで自身を過大評価してしまい、社会的にも成功するはずだと思い込んでしまいがちです。
しかし、勉強ができるという要素だけで社会で生きていくのは難しいです。
前述したように就職してうまくいかなくなるパターンも多く、そうなると過去の自分との落差に落ち込んでしまうのではないでしょうか。
医師やカウンセラーに理解してもらえない
これだけ発達障害がメジャーになった今でも、発達障害に対して理解の無い医師やカウンセラーはごまんといます。
私の実体験なのですが、そういう医師やカウンセラーは、発達障害で困っていることをいくら伝えても「〇〇大学に入れるくらい頭がいいんだから、発達障害ではないでしょ」「仕事ができないって自分で思い込んでいるだけじゃないの」と簡単に突っぱねます。
実際は高学歴でも発達障害で困っている人はたくさんいますし、完全に医師やカウンセラーの理解不足なのですが、高学歴なばかりに理解されにくくなることは往々にしてあると思います。
高学歴発達障害の人がプライドを傷つけずに生きていくには
高学歴発達障害の人の1番の問題はやはり仕事でしょう。
ネットで調べてみると、発達障害の人は以下の職業に就いている人が多いように思います。
・エンジニア
・WEBデザイナー
・研究者
・営業
・ライター
・翻訳者
・障害者支援
世の中には無数の職業がありますが、これらの代表的な職種から、高学歴発達障害の人に向いている仕事の共通点を探してみました。
成果物だけで評価される仕事を選ぶ
エンジニア、WEBデザイナー、営業、ライター、翻訳の共通点は、成果を出すまでの過程は問われず、成果物だけで評価される仕事であるということです。
このような仕事では、最終的な成果物さえちゃんとしていればいいので、途中でミスをしようと人から責められることがありません。
働き方に融通が利きやすく、在宅で働ける仕事が多いのも特徴です。
在宅で働けるとなれば意地悪な人と会うことも無いので、人目を気にせずのびのび働けます。
また、これらの仕事は継続的に学習してスキルを習得しなければ就けない仕事ばかりなので、「勉強ができる」類の頭の良さも生かせると思います。
高学歴の人の頭の良さを生かせて、さらにスキルを磨けば収入アップも見込めるという点で、やりがいもあるのではないでしょうか。
以下の記事では、WEBデザインやプログラミングを学ぶメリットについて解説していますので、よろしければ合わせてチェックしてみてくださいね。
人目が気にならない仕事に就く
とはいえ、スキルを要する仕事にいきなり就くことはできないので、まずは目先の生活費を稼がなければならない場合もあるでしょう。
前述したように、発達障害の人はアルバイトで多大なストレスを抱えてしまう可能性があります。
ストレスの原因は、他の人には簡単にできる仕事ができずに落ち込む、周りから嫌味を言われたり怒鳴られたるするなど、周りに人がいることから起こります。
そう考えると、ウーバーイーツの配達員、宅急便の配達員、ポスティングなど、完全に1人だけの環境で作業できるアルバイトであれば、ストレスなく働ける可能性が高いと思います。
もしくは物販など、在宅でできるビジネスを始めてみるのもありです。
人の目さえなければ、「せっかくいい大学に入ったのにこんな仕事をしている」と引け目を感じることも少しは減るのではないでしょうか。
通院している人は難しいかもしれませんが、最も楽で収入がいいバイトは治験だと思います。
採血や検査などの時間以外は基本的に自由なので、その間にスキルアップのための勉強もできます。
どうしても働けない場合は障害年金を申請するなど、福祉に頼るという選択肢も考えてみてください。
創作活動をする
ブログを開設する、絵を描く、曲を作るなど、創作活動に取り組んでみるのもおすすめです。
創作活動のメリットの1つは、精神的にいい影響をもたらすことです。
作品を人から評価してもらうことで自信に繋がり、自己肯定感を取り戻すことができます。
私自身ブログを書いていて、アクセス数が増えると嬉しいですし、1人で楽しむだけの趣味に比べると格段に充実感がありますね。
それに今の時代、思わぬチャンスがあるもので、発信していればそれが収入につながる可能性も十分あります。
ブログで収益を得る方法はかなりメジャーですし、他にもYoutubeやSNSなど、個人が気軽に発信して収益を得る仕組みはたくさんありますよね。
なんといっても、創作活動は発達障害の人の得意分野です。
創作の世界は自由ですし、興味のあることに熱中できる特性も生かせます。
「好きなことで食っていく」のは、発達障害の人にとっては案外現実的な選択肢かもしれませんよ。
自己分析を徹底しよう
高学歴の人は、「いい大学を卒業している」というプライドによって、あらゆることに対してハードルが高くなり、ストレスが増えがちです。
ネットを見ていると、「勉強ができるからといって仕事ができるとは限らないのだから、社会に出たら余計なプライドは捨てるべき」など、精神論に偏ったアドバイスが多いように感じました。
確かに、「自分は頭がいいのだから」とおごりたかぶらず、人の指摘を素直に受け入れる姿勢は必要だと思います。
とはいえ、プライドを捨てて叱られながらも続ければできるようになる仕事なのか、どれだけ頑張っても無理な仕事なのか、見極めが必要です。
プライドを捨てるよりもずっと大切なのは、自己分析です。
プライドを捨ててがむしゃらに頑張ったとしても、失敗を繰り返せば誰でも潰れます。
向かない仕事で失敗を繰り返して消耗しないようにするためには、まず自己分析を徹底し、自分の得意なことと苦手なことを細かく書き出して、フィットする仕事をピンポイントで見つけることが大切だと思います。
私自身も、翻訳者兼ライターとして食っていくために修行中の身です。
お互い頑張りましょう!
以下の記事では、私が経験した全14種類のアルバイトをADHD/ASDの特性にマッチするか考察しています。
アルバイト選びで迷っている方は是非チェックしていただけたらと思います。
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