発達障害の人にWEBデザイナーは向いている?

発達障害と仕事

発達障害の人に向いている仕事として、Webデザイナーが挙げられているのをよく見かけます。

Webデザインを学んだことがある私が思うに、確かにWebデザイナーの仕事は発達障害の人に向いている要素が多いです。

ただし、Webデザイナーを目指すにあたって引っかかる特性も確かにあり、発達障害の人が無条件にWebデザイナーになれるというわけではないとも考えています。

ここからは、Webデザイナーの仕事が発達障害の人に向いている理由、Webデザイナーを目指すにあたって障壁となる発達障害の特性、Webデザインを学ぶ方法について解説していきます。

発達障害の人がWebデザイナーに向いている理由

最終的に完成させることができれば途中で何をしても大丈夫

Webデザイナーの仕事の大きなメリットは、納期までに最終的な成果物さえちゃんとできていれば過程を問われないという点です。

ADHDの方は不注意が多くミスをしてしまいがちですが、途中でいくらミスしようと、最終的な成果物がちゃんとしていれば怒られることはありません。

その上、コーディング作業にあたっては、ミスを自動で検出してくれるバリデーションというシステムがあったり、テキストエディタの文字の色が自動で変わったりと、ミスに気付きやすい仕組みもたくさんあります。

 

また、ADHDの方は決まった時間に一定のパフォーマンスで仕事をするのが難しい方も多いです。

繰り返しになりますが、納期までに完成させることさえできれば、進め方は自由です。

だからこそ、過集中モードの時に一気に作業を進めて、休みたい時はしっかり休むというように、自分に合ったペースで仕事ができるのです。

在宅でも仕事ができる

もう1つの大きなメリットは、Webデザイナーという仕事は幅広い働き方ができるという点です。

Webデザイナーは、パソコンとインターネット環境があればどこでもできる仕事です。
特にこのご時世、新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務がますますメジャーになりました。

発達障害の方は感覚過敏のある方も多く、会社の環境では集中して作業に取り組めないこともあります。
そこで在宅勤務ができるとなれば、自分に最適の環境を整えることができます。

さらに、在宅勤務だと会社の人と直接会うこともなくなるので、人間関係の悩みもかなり解消されるでしょう。

Webデザインの技術を身に着ければ、働き方の選択肢が一気に広がります!

文面でのコミュニケーションが多い

Webデザイナーは、メールやチャットツールなどを通じて、文面でコミュニケーションを取る機会が多いです。
特に在宅勤務となれば、ほとんどが文面でのコミュニケーションになるでしょう。

発達障害の方は基本的に、直接会って話すより文面でのコミュニケーションの方が向いていると思います。

文面であれば送る前に1呼吸置けるので、失言のリスクが格段に減ります。
それに、自分の考えを整理してから送ることができるので、自分の言いたいことが相手にも伝わりやすくなります。

相手のメッセージも後から見返せるので、何を言われたか忘れてしまうのも防ぐことができます。

インターネットや書籍で好きなだけ勉強できる

私は過去に、社内システムを扱う仕事をしていたことがあります。

前任者からの引継ぎのため説明を受けるのですが、人の話が全く理解できない特性を持つ私は全く頭に入りません。
他の人は分かっているのに自分だけ分からないまま取り残されてしまい、質問をするにも何を聞けばいいのかさえ分からず…絶望的な状況になりました。

割と特殊なシステムだったので、自宅でダウンロードして使えるようなものではなく、参考書もなかったため、周りに追いつこうにも独学ができなかったのです。
人の話を理解できない私にとって、独学ができないのは致命的でした。

 

一方、Webデザインはインターネットや書籍など、自分で勉強するための手段が豊富にあります。

そのため、他の人と比べて多少飲み込みが遅かったとしても、努力次第でちゃんとカバーすることができるのです。

それに、新しい技術やトレンドが次々と生まれるWebデザインの世界では、学び続ける姿勢が大切ですし、技術を身に着ければもちろん稼ぐチャンスも増えます。

発達障害の「興味があることをとことん追求できる」特性を生かせれば、Webデザイナーとしてかなりの強みになりますよ!

Webデザイナーの仕事においてマイナスになる発達障害の特性

前述した通り、発達障害の特性には、Webデザイナーの仕事においてマイナスになるものもあります。

期限を守れない

ADHDの特性として、締め切りの直前になるまで動けず、あらゆることがギリギリになってしまうというものがあります。

しかし、納期までに成果物を完成させられないのはWebデザイナーとして致命的です。

事前に計画を立てる、日ごとにタスクを書き出して最低限終わらせなければならない範囲を明確化するなど、何かしらの工夫でカバーする必要があります。

相手の目的より自分のやりたいことを優先してしまう

発達障害の人は、興味のあることに対してはとても熱心に取り組むことができます。
Webデザインに興味を持てれば、様々な技術を習得し、効果が盛りだくさんで工夫を凝らしたサイトも作れるようになるかもしれません。

ただし、それが必ずしもクライアントにとって必要だとは限りません。

クライアントがWebサイトを作る目的は、「かっこいいサイトを披露する」ことではなく、あくまでも「商品やサービスを知ってもらい、成約につなげる」ことなのです。

「デザイナー」という言葉で勘違いする人もいるかもしれませんが、Webデザイナーはアーティストではなくサービス業であり、客商売です。

アスペルガーの傾向がある方の中には、こだわりが強く、自分のやり方を貫き通さなければ気が済まない方もいるかもしれません。

しかし、Webデザイナーにもクライアントの意向を汲み取るコミュニケーション能力はやはり必要ですし、自分好みのデザインにはならなかろうと、クライアントに合わせる柔軟性も大切です。

Webデザイナーになるには

Webデザイナーになるには、まずは何かしらのサイトを自分で作ってみることが第1です。
自分はこんなサイトを作れる技術があります、とアピールできる実績がなければ、仕事を取るのはまず難しいでしょう。

そして、自分でサイトを作れるようになるためには、まずはWebデザインスク―ルに入って勉強するのが最も効率的です。

自分でサイトを作ろうとすると何かしら疑問点が出てくると思いますが、スクールに入っていれば、講師に質問してすぐに解決することができます。

分からないところでずっと立ち止まってしまうのはやはり時間がもったいないですし、挫折にもつながります。

分からないことをすぐに解決できる環境は、勉強を続ける上でとても大切です!

また、ほとんどのWebデザインスクールでは「オリジナルサイトの制作」がカリキュラムに含まれているので、プロのデザイナーのフィードバックを受けながら、就職でアピールするためのサイトを制作することができます。

 

とはいえ、Webデザインスクールも多種多様で、どこを選んでいいか分からない方も多いのではないでしょうか。

ここからは、比較的安価(20万円程度)で受講できるおすすめのWebデザインスクールを紹介します。
どのスクールもオンライン形式で、地方在住の方でも受講が可能です。

TechAcademy

TechAcademyでは、最も安価なプランだと4週間で174,900円(税込)から受講できます。(学生の方は163,900円)

以下にTechAcademyの特徴を簡単にまとめました。

・1か月で7回のメンタリングを受けられる(1回30分)
・15:00-23:00の間はチャットツールで何度でも質問できる

メンタリングでは、質問やペアプログラミングなど、講師から直接最適なサポートが受けられます。
お得な学割価格も設定されていますので、特に学生の方におすすめですね。

無料体験レッスンもあるので、まずは1度受けてみてはいかがでしょうか。

デジハリオンライン

デジハリオンラインでは、最も安価なWebデザイナー短期集中プランだと3カ月で203,500円(税込)から受講できます。

以下にデジハリオンラインの特徴を簡単にまとめました。

・チャットツールで講師にいつでも質問できる
・テキストで説明が難しい内容はzoomで個別相談ができる
・卒業後はデジハリ卒業生限定の求人サイトに登録できる
・他のクラスメイトの前で修了課題を発表する機会がある

デジハリオンラインは、卒業後のサポート面に大きなメリットがあります。

デジハリオンラインを修了すれば、デジハリ卒業生限定の求人サイトに登録できます。

またオンラインスクールとしては珍しく、他のクラスメイトと交流する機会も設けられています。(修了課題発表会)

講座を修了した後も卒業生の交流会があり、人脈を作る機会が豊富に用意されています。

デジタルハリウッドといえばクリエイター業界でもかなりの知名度があるので、良い出会いがあれば仕事獲得のチャンスにもつながるのではないでしょうか。

ストアカ

ストアカでは、多種多様な講師が様々な講座を提供しています。
受講費は講座によって差があり、安いものなら数千円程度で受けられます。

以下にストアカの特徴を簡単にまとめました。

・Webデザイン以外にも、ライティングやプログラミングなど様々な講座がある
・対面レッスンもオンラインレッスンもある
・1回きりの講座も複数回にわたる講座もある

ストアカのメリットは、低価格で気軽に講座が受けられる点です。

向いているかも分からないのに、いきなり数十万円を支払うのはかなり勇気がいりますよね。
そういう方は、まずはストアカで初心者向けの講座を受けてみるといいのではないでしょうか。

atGPジョブトレ IT・Web

at GPジョブトレ IT・Webはデジタルハリウッドと提携した就労移行支援サービスです。

条件はありますが、なんと321,580円相当の講座が無料で受けられます。

まず、渋谷、秋葉原、船橋、大宮の施設に週4~6回通うため、関東圏に在住の方のみが対象です。
就労移行支援なので、自治体が発行する福祉サービス受給者証も必要になります。(見学してからの取得でももちろん大丈夫です。)

Web制作に必要なデザイン・コーディング等のスキルはもちろん、障害特性や症状への対処法も身につけられるのも大きなメリットです。

関東圏在住の人はまず見学して、検討してみてはいかがでしょうか。

Webデザインを学んで損はない!

私はWebデザインを勉強したものの、結局Webデザイナーにはなりませんでした。
正直、Webデザインに対する関心がそこまで深まらず、これなら極めていける!という手ごたえが感じられなかったからです。

それでも、Webデザインを勉強したことに後悔はありません。

Webデザイナーにならなくても、Webデザインの学習を通じて身に着けた知識が役に立つこともあるからです。

私自身、今こうしてWordpressでブログを立ち上げ運営するにあたって、Webデザインの勉強を通じて学んだHTMLタグなどの知識が役立っています。

Webの知識を身に着けることで働き方の幅が広がり、在宅ワークなど自分に合った働き方が選べるようになります。

発達障害の人にとって、自分に合った働き方ができるかは死活問題です。
その選択肢を広げられると考えれば、絶対にWebデザイナーになりたいという人以外も、Webデザインを学んで損はないはずです。

この機会に、少しは興味があったけど・・・という方も是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

WEBデザインの他には、プログラミングを学ぶのもおすすめです。
プログラミングを学ぶメリットは以下の記事にまとめましたので、是非合わせてチェックしてみてくださいね。

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